商店街の臨時総会

 うちの店は、商店街に加盟しています。正しくは千本昭栄商店街振興組合といい、昭和45年発足、前進となる団体は大正7年発足だそうです。この商店街の組織を大幅に変更することを話し合う、臨時総会に出席してきました。

 商店街と一口に言いますが、実は二種類ありまして、全国商店街振興組合連合会を頂点とする、商店街振興組合法に基づいて結成された法人と、商店連盟を上部団体とするものとに分けられるそうです。

 かつて、商店街は行政の補助金を得て、さまざまな事業を行ってきました。アーケードや街路灯の設置、水溜りのできない透水ブロック舗装、飾り付け、各種のイベント。もちろん自己負担分もありますよ。不発に終わったものもありますが、少なくともある時期までは、それなりに有効なものもありました。

 これらの補助金の受け皿になったのが、商店街振興組合です。ごく最近まで、補助金を受けるには商店街振興組合でなければ難しかったのです。
 商店街振興組合になれば、運営にあたって非常に煩雑な手続きが必要ですし、各種の会合への代表者の出席も、たびたび求められます。こうしたことをこなせるくらいの団体なら、補助金も支給できるという、ある種の踏み絵だったんでしょう。

 しかし、時代も下り、行政の補助金も変わりました。以前に比べて額が減らされ、商店街振興組合を維持してまで受け取るほどの金額ではなくなってきました。また、支給の対象が幅広く柔軟になり、商店街振興組合でなくても必要な団体には補助金がでるようにもなりました。なにより、加盟会員店舗の減少で、商店街振興組合の維持自体が難しくなってきました。
 全国で進んでいる、商店街振興組合の解散を、この商店街でも決断することになったのです。解散に向けての一年に及ぶ手続きがこれから始まります。

 ただ、現在この商店街は、街灯を運営しています。通常の街灯よりもずっと明るく、地元の人、道行く人の利便と防犯に欠かせない存在です。また、解散にあわせて撤去するにも莫大な費用がかかります。そこで、この街灯を維持し、加えて維持のための補助金の受け皿にもなる団体は必要だということで、任意団体としての商店街組織を残す方向です。せっかくあるものを、全くなくすのは、これからのことを考えてもよくないだろうというのが、臨時総会に出席された皆さんの一致した意見でした。
 形を変えての存続の目的は街灯の維持ですが、他にもなにか事業をやるにも、これまで同様にしやすいはずです。

 商売をやめるお店が増えるご時勢ですが、うちの店のある地域では、個々のお店をつなぐ商店街は残ります。