本格焼酎鑑評会

yamaokasakeya2008-06-28


 広島の西条にある酒類総合研究所で、毎年この時期に行われている本格焼酎鑑評会に行ってきました。昨年は行けずじまいで二年ぶり、多分四回目か五回目の参加です。
 朝の9時半からの開始なので、京都からなら新幹線でもほとんど一番電車に乗らなければならず、無理のないようにいつも広島行きの夜行バスを使っています。季節柄雨が多いのですが、今回は晴れてました。田んぼや池や岡の緑やら、まわりの景色もきれいです。
 大勢の多彩な参加者に恵まれている清酒の鑑評会と違い、この会の参加者は、国税庁技官ら関係者、焼酎製造元技術者、報道関係者ばかりで、流通や飲食店、愛好者の参加はほとんどありません。クールビズ登場以前に参加したときには、私以外の全員が背広にネクタイか社名入りの作業服だったほど。焼酎ブームといわれたここ数年でもその傾向は変わりませんでした。
 他の試飲会と違い、知った顔ぶれもないのですが、今年は開場待ちのとき、取引先の日本酒蔵の方とばったり。白衣でしたから、仕込が無い今の時期に研修におこしなのでしょう。そうとうにお忙しい身なのに、熱心なことです。

 今回の出品は350余。昨年よりも数が減っています。ここ数年ずっと数が増えてましたから、焼酎ブームが落ち着いたのを感じさせます。時間は、9時半から午後1時まで。すべて口に含むには、一時間に100ずつこなす勘定です。他なのお酒では無理な話しで、キレや余韻をうるさく言わない焼酎だからできることです。
 三階の会場につづく階段まで焼酎の匂いが満たされている中を、100人以上が黙々と利いていきます。臨時のお手伝いの方々や職場体験の中学生二人が、開場の補助してくださいます。静かなざわめきとでも言いましょうか。ほどよい緊張感に包まれています。わたしも、最低限のメモをしながら進めていき、ほぼ時間一杯で全ての利きを済ませました。

 一通りの感想ですが、ブームのピークだった三年前と比べると、非常におとなしい内容で、見るべき部分が少ないと思えました。新商品や野心的な取り組みなどは稀でした。
 強いてあげるなら、一部の減圧蒸留の商品の香りでしょうか。このところ、香りの強い常圧蒸留の焼酎の香りが落ち着く方向に進み、減圧蒸留の焼酎の香りが強くなる傾向だったのですが、とうとう減圧なのに平均的な常圧よりも強い香りのものが登場し始めました。焦げ臭のする減圧蒸留のものまであったのですから、なにがなにやらで、そもそも減圧でする意味も無いと思うのですが。

 さて、そんな具合に昼過ぎには鑑評会も終わったあと、西条の町を散策して時間をすごし、夕方に友人と会いました。この春まで京都にいたのですが、急に広島に就職が決まったそうで、広島での暮らしがようやく落ち着いてから、連絡が来ました。久しぶりに会いまして、まだまだ慣れないようですが、元気に仕事をしているようでなによりでした。