酒と戦争

日本伝統の自家醸造の酒であったどぶろくは、西南戦争日清戦争のための酒税強化にともなって禁止されました。

明治に始まった各地のビール造りは、日露戦争増税で消滅しました。

昭和初期に意欲的な中規模蔵が取り組んでいた吟醸酒は、第二次世界大戦で贅沢であるとして事実上禁止されました。



何年か前、こんなことを年賀状に書きました。年賀状にしては殺伐としてますかね。

明治以降、日本の歴史は戦争の繰り返しでしたが、戦争のたびに税金が酒税が厳しくなり、そして酒が消えました。新しい酒もあれば、伝統的な酒もありますが、一度消えると何十年と復活できません。
地ビールは90年代にようやく。どぶろくも2000年代になって特区で復活しました。いずれも80年、100年と掛かっています。

もし今、戦争が行われたら、やはり取りやすい税金である酒税は強化されるでしょう。そのとき、いずれかの酒が消されるかもしれません。
私はそれをとても危惧しています。たぶん、その消される酒が、私がとてもお世話になってきた、地ビールであったり、地酒であったりするのではと心配してるからです。



戦争というのは、外交上やむにやまれず行われることもありますが、ときには内政の失敗をごまかすために行われることもあります。
今、戦争をあおるような政治家がいます。内政の失敗で、戦争をあおってるのではないのか、外交努力を放棄しているのではないのか。
わたしはそれを心配します。晩酌を多い目にいただいて、こんなことを書かずにおれなくなりました。