日本酒の会

yamaokasakeya2006-04-11

 こんなふうな変則的な会は、あまり覚えにありません。まず、一人のかたで始め、そのあとで三人のかたがたが遅れてお越しになりました。うちお二人は親娘。こういう組み合わせで来られたのは、この方たちだけだと思います。
 最初にこられたかたと差し向かいでやるときは、せっかくなので、少々変わった出し方をしてみました。めったにやらない、いろんな温度のお燗酒です。
 お出ししたお酒は次のとおり。

花見蔵 純米吟醸 あらばしり
百楽門 純米 生原酒
花見蔵 純米 飛山濃水
招徳  純米にごり酒
オゼノユキドケ ブラウンヴァイツェン

 生酒と一括りにいいますが、日本酒の生酒は多様です。香りの良いもの、味わい深いもの、熟成させたもの、若々しいもの。冒頭二つの生酒は、出来立てすぐの、香りが高いとともに荒々しいものと、新酒でありながら、落ち着いた装いのものの対比です。
 冷酒で飲むと、双方美味しいです。やや、あらばしりのほうが好きだという人が多いでしょうか。しかし、これを暖めてみますと、落ち着いた味わいの百楽門のほうがぐんと美味しくなり、花見蔵は「もったいない」といわれる変わりようです。
 さて、三つ目の飛山濃水は、ちょっと飲むと、ごく普通の純米酒です。お燗に向いてるかな、と思わせるような。そこで、先に来られたかたに、冷酒から常温、日向燗、ぬる燗、人肌燗、上燗、熱燗、飛び切り燗・・・と大体五度刻みで出してみました。たいていの酒には、美味しくない温度と言うのがあるものですが、これはどの温度でも美味しく感じられます。もちろん好みはありますが、まずいということはない。なかなかの発見です。
 続いて招徳の純米にごり酒にごり酒は冷酒で出されることが多く、これも冷酒で美味しくいただけます。しかし、裏ラベルにはお燗もおすすめとあります。去年の暮れに蔵見学した折から、ずいぶん研究しておられました。その成果の現れでしょう。
 にごり酒のお燗は、なかなか美味しいものに出くわしません。味の組み立てが難しいんです。しかし、このにごり酒のお燗は、じつに美味しく楽しめました。研究の成果ですね。すばらしいです。

 最後に写真にはありませんが、オゼノユキドケ ブラウンヴァイツェンを出して終わりました。最後にビールというのは、やはり新鮮なようで好評でした。