長野の酒メッセIN東京

yamaokasakeya2006-05-22

 久しぶりに東京の試飲会に行ってきました。東京に行くのは一年ぶりくらいです。もちろん前回行ったのも試飲会のため。お酒以外が目当てで行くことはまずありませんです。
 前日の21日、田植え体験やら見学会で慌しくすごし、その夜、夜行バスで東京へと移動しました。なかなかの強行軍です。そんなときだから、やはり十分に食べておくべきでした。いつもの試飲会では、味をきちんと見られるように、食事を減らしぎみにし、直前の食事は味のうすーいものを食べるのですが、体調が万全なときならともかく、今回のような場合は、よくなかったと思います。試飲会の途中でダウンしてしまいましたから。

 そんな反省会はさておき、長野の酒メッセというのは、長野県内の酒蔵が一堂に会する試飲会です。年2回、地元信州と東京で行われています。地元での開催ではほぼ全蔵、東京でも半分以上の蔵が参加されます。県内の酒蔵が一斉に集まる形式の試飲会は、近年新潟や山形でも行われるようになりましたが、知る限り長野が最初です。主催者である若手蔵元の皆さんや、関係者の皆さんの企画力とご苦労がしのばれます。
 当日の会場は赤坂プリンスの別館。特別巨大な会場でもありませんが、建物のトイレのタイルが金箔をあしらった豪奢なものなのが印象的です。
 当日、一般の方は3時からですが、酒類業関係は午後1時から入場できます。それでも受付開始前に到着して待ってました。昼ごろからの試飲会は、始まりはゆっくりです。その雰囲気に呑まれたのせいもあったのか、のんびりとかかってしまいます。今回もそんな調子でした。しかし、試飲はとんとんと進めていったほうが、上手くいきます。商談は後で戻ってきたときにすればいいんです。いつも失敗しますけど。
 試飲の場所ですが、参加54蔵の蔵ごとにブースがあるほかに、長野県原産地呼称制度の認定を受けたお酒を集めたコーナー(観光協会が担当)不参加の蔵のお酒を集めたコーナー(お客さん推薦の夜明け前は出てませんでした)。蔵ごとにまわるのもいいのですが、テーマに沿った試飲もなかなか興味がそそられるので、原産地呼称制度認定酒などのきき酒も全部回りました。
 ほかにも、仕込み水を集めたコーナー、日本酒の販売促進の記事を紹介したパンフレットを置いたコーナーなど、かなり色々用意されてます。さらに、長野県の酒造の関係者によるミニ講演会が、会場内で6本も用意されていて、そうとうに充実したものになっていました。そうとうな熱の入れようです。また、信濃鶴の蔵元さんは、講演会の司会などで奮闘されておられましたが、自社のブースは無し。自社の宣伝を後回しにして、裏方仕事です。頭が下がります。
 とはいえ、関心してばかりもいられません。売り物になるものを探すのと、酒の味見の訓練と、二つの目的で行っています。着々と試飲を進めていきました。
 しかし、嗚呼開始からおよそ5時間余り。休みなく試飲していましたが、突如そのときはやってきました。呑みすぎに似て、気持ちが悪くなりました。こうなると、香りも味もじっくり見ることは出来ません。何とかしようにも、少々休んでも足りません。水を飲むのも気休めです。やむなく、終了前に会場を出ました。残念です。こんなことなら、もっとしっかり食べて置けばよかったです。
 終わったあとは、とにかく食べるものを食べ、暖かいものを呑むのに限ります。お酒抜きで思い切り食べて、帰りも夜行バスで帰宅しました。これはこれでまた疲れます。

 さて、今回の感想ですが、お酒の多様性が増してますね。信州はどこに行っても内陸なので、食生活も似通ってます。当然お酒も似てくるので、どうしても各蔵をまわっていると「飽き」がきます。今回もかなりに通ってはいたのですが、それでも各蔵の試行錯誤がずいぶん進んでいるのだと思います。思いもかけないようなお酒にも出会え、勉強になりました。
 そういう意味での象徴的なものといえば、どぶろくを出品している蔵が2軒。いずれも雑酒免許を取得してのもので、それぞれ特徴がありました。ただ、惜しむらくは、どぶろくというよりも日本酒的です。うちで扱っている百楽門さんのどぶろくに比べると、味や香りでどぶろくの特徴は乏しい印象です。百楽門さんのどぶろくでも、かなりおとなしいという評価が返ってきてるのですから、もっと冒険してもいいんじゃないでしょうか。