地ビールの会
<この記事は、京都西陣千本の酒屋 山岡酒店の毎日 の地ビールの会の記事と同内容です>
写真に並ぶたくさんの地ビール。今回こんなにもたくさん出してしまいました。ただ飲むだけで無しに、味わってもらうにはほどほどの数があります。たくさん出せばいいというものではありません。
言い訳しておきますと、最近地ビールの新しい仕入先もでき、季節限定品もいくつか入荷しています。他にも在庫を増やす事情などがあり、冷蔵庫の中は完全に満タンです。少しでも隙間を開けないと大変なんです。たくさん出したのには、そういう理由もあります。
今回は、6人の方の参加。そのうち3人の方が始めてです。やはり暑くなってくると地ビールが美味しくなってきますし、参加の方も増えてきます。逆に日本酒の会では参加の方の数が減りますが。
さて、今回お出ししたのは次の通り。
新潟麦酒 麻物語
玉村本店 美山ブロンド
新潟麦酒 ヨーロピアンケルシュ
このへんからお出しした順番の記憶が怪しくなってきます。
小江戸ビール ディンケル
博石館ビール 自然麦酒 天然蜂蜜酵母仕込
オゼノユキドケ ホワイトヴァイツェン
オゼノユキドケ レッドエール
ここから先はちゃんと覚えてます。
オゼノユキドケ 黒
志賀高原ビール ポーター
オゼノユキドケ ヘビーヘビー
新潟麦酒 エールドルレクチェ
博石館ビール クリスタルエール
お出ししたビールの内容です。
まず、暑いので暑気払いにと思って新潟麦酒の麻物語です。麻の実の
香りが夏向きだと思うのですが、酵母入りのビールなので、こってりした印象が同時にあります。蒸す夜だったので、もっとすっきりしたものがよかったかもしれません。
次は、玉村本店の季節限定品、美山ブロンドです。二度味見をしてるんですが、これの面白いのは、温度によってずいぶんとコロコロ表情が変わるところ。ある程度冷たいときりりとした印象なんですが、少しぬるくなると、ややアルコール分が高めなので、のど越しに厚みが出てきます。どうやら、ぬるめになりかかっていたようです。アルコールの高さを敏感に指摘されて方もありました。
三つ目は、新潟麦酒のヨーロピアンケルシュです。美山ブロンドに比べて、軽い印象だったようです。少し意外でした。
さて、この辺からお出しした順番が分かりません。多分になります。
素材にこだわった本格派ということで、小江戸のディンケルです。原材料の大麦にこだわった商品で、ディンケルという中世以来の品種を使っているんですが、いろいろな方がおられるものです。参加のお一人が、ディンケル麦のことを詳しくご存知でした。
せっかくですから、他には無いものの代表で、博石館の自然麦酒 天然蜂蜜酵母仕込です。あまり遅くにだすと、微妙な特徴が分からなくなります。が、すこし手遅れだったようです。一味違うのは感じてもらえたはずですが、驚きが伴っていたかどうか。あまり自信がありません。もう少し上手く出さないといけませんね。
小麦麦芽原料としたオゼノユキドケのホワイトヴァイツェンです。この辺までくると結構個性的です。小麦麦芽をふんだんに使い、ハーブ系の甘い香りがするヴァイツェンです。そういえば、実に見事な形容をしてくださった方がありました。「スパードライが好きな人には、駄目なビール」かなり的確だと思います。よくあるビールとは、本当に傾向の違うビールですから。
さて、今回は製造分で最後となる、オゼノユキドケのレッドエールです。エール特有のエステル香と呼ばれる、甘い香りが印象的。しかし、ホップの苦味はしっかり利いてます。これぞエールというエールですね。無くなるのは正直いって残念ですね。
ここからは、より個性的な黒ビールをずらりと並べて比較してもらいます。まず、苦味がはっきりとしている、オゼノユキドケの黒です。黒の説明は少々難しいですが、苦くてすっきり、ぬるくなると甘味がでてきて、苦いのが苦手な人はのみやすくなります。そのへんを確かめてくださっている方もありました。さすがにお詳しい。一度、お燗だけでなくそういう変化をみるのもやってみたほうが良さそうですね。
あわせて比較するのは、黒ビールというのは少々はばかられます、志賀高原ビールのポーターです。まあ、見た目が黒いんで良しとしてください。国内では、作っておられるメーカーさんが少なく、うちで売っているのもこれだけなんですが、甘くて苦くてどっしりしているビールです。原材料費が高く付くだろうと想像します。苦味と甘味のバランスを上手く取っていることもあり、好んで飲まれる方が多いようです。「日本人向け」と紹介されることも多いですね。今回の地ビールの会でも好評でした。
さて、相当に個性的なものが出てきましたんで、バレーワインを出しました。オゼノユキドケのヘビーヘビーです。苦味が強く、どっしりとした飲み心地。大麦のワインの名に恥じません。この種のものにしては、やや大人しいですが、「らしさ」は伝わると思います。実は、これと比較してほしかった、志賀高原ビールのIPAは品切れ中。ホップの苦さがどういうものか、あわせて飲むとよく分かるんですが、残念です。
さて、これでおしまいということで、デザートを出しました。新潟麦酒のエールドルレクチェです。洋ナシの甘い香りと案外ドライな印象の味の好対照です。
さて、これで終わりというところなんですが、なんとなくもう一つ出すことにしました。同じくデザートビールとして売られている、博石館ビールのクリスタルエールです。ドイツの白ワインの酵母を使って作られていまして、高いアルコール度数と、白ワインの香りとビールの香りが同居する、ワインのようなビールです。上で紹介したバーレーワインタイプのビールが、いずれもフランスのフルボディーの赤ワインに似たものばかりの中で、全く異質な商品です。
12度のアルコールをゆっくり味わっていただき、お開きになりました。
やはり、たくさん出せばいいというわけではない。それを再認識した会でした。次回はどうなるのか? やってみないとわかりません。
追伸 天の橋立ビールをお持ち帰りしたら、美味しくなかったとおっしゃっていた参加者の方から訂正がありました。別の会社のビールと勘違いされていたそうです。