日吉胡麻 中村新さんの畑の見学会

yamaokasakeya2007-08-25


 最近、こちらで何度かご紹介している新規就農者の中村新さんの畑の見学会がありましたので、参加してきました。
 中村さんは、現在自然農法という農法を実践中です。JAS基準ではなくて、昔からの有機農業のなかで、なるべく肥料を控え、農薬も天然農薬のものも含めて使用しないという農法です。
 中村さんとはこの夏から取引ただいていますが、取引のある農家さんでも、畑に伺うときはなるべくこうした催しを利用しています。五月雨のように見学があると、ただでさえ時間に追われておられることが多いので、まとめて済ませられるほうがいいと思うからです。
 主催は「京の農ネットワーク21」、わたしも少々お手伝いしています。

 さて、当日はこの夏おなじみの猛暑で、数日降った夕立にもかかわらず、畑は乾燥気味でした。あの程度では足りないのでしょう。そうでなくてもこの畑は灌漑水路がひかれていない条件の悪い場所です。水やりが大変です。といっても、一年目の今年、作物と畑の状態を確かめるためにも、水は乾燥に弱い茄子だけにしかやっていないそうです。それでも、とまともキュウリも唐辛子も収穫があります。このあたりはさすがです。
 乾燥に強く育てると、少ない水でも育つようになり、強い乾燥でもなかなか枯れないようになります。さすがに限度がありますが、それでも余程の乾燥でも成長が止まった状態で耐えています。

 
 全体に乾燥していますから、こちらの畑で虫を抑える主役は、蜘蛛とトカゲです。蜘蛛は農薬に非常に弱い生き物の代表で、農薬を使うと途端に激減します。こちらのように蜘蛛の巣がとにかくたくさんあるのは、化学物質が入っていない目印ですね。
 それと、トカゲがこんなにたくさんいるところは初めて見ました。
普通の畑では、湿気がありますから蛙がたくさんいるのですが、この乾燥ではあまり活躍できないらしく、蛙は畑の脇の貯水池のまわりにいたくらい。その蛙のいない穴を、トカゲが補っているわけです。上手くできています。
 見学後、鍼灸大学前駅そばの施設で西村和雄さんの解説や、中村さんへの質疑、それから有機農業をテーマにした専門店の可能性についての討議などがありました。私自身の思うところは、有機の専門店は可能ですけれど規模が小さくなることと、売り方が全く変わってくるので、そのあたりの工夫が必要だと思うのですが、少々大変ならず大変です。


 さて、今回出くわしたお奨めの作物は小玉すいか。乾燥した年はスイカも美味しくなりますが、味見させてもらったところ、とにかく上出来でした。甘いのを通り越して、こってりしてます。南洋のフルーツかと思うほど。早速入荷した分はあっさり売り切れました。