上京区 佐伯さんの朝風きゅうり 60円也

 うちからそう遠くないところに、北野の天神さん(北野天満宮)があります。北野の天神さんを下がると、佐伯さんという農家がありまして、そこから少し変わったキュウリを分けてもらってます。
 そのうちの一つが「朝風」。綺麗な薄い黄緑色で、食べごろの長さは30センチくらいでしょうか。古い品種で、今から30年程前までは、よく出回っていたらしいのですが、最近では作ってる農家も少ないです。最近のキュウリに比べて半分ほどしか採れないのが、すたれた理由のようです。
 この朝風、キュウリ特有の青臭さがなく、あっさりとした味の酢の物などによくあいます。そして、歯ごたえが実に良い。皮が薄くて、実がしっかりしてるんです。食べ比べると、今の主流のキュウリは、皮が硬くて身がスカスカに思えます。歯ごたえ一つでずいぶん印象が変わります。

 さて、昨日からうちの食卓に、この朝風を使った料理が並んでます。名前は知りません。家のおかずですから、母は名前には頓着してません。料理の仕方を書いておきますので、名前をご存知の方は教えてください。
 手順は、胡麻油でキュウリを炒め、途中醤油と酢、そのほか好みに応じて豆板醤や胡椒を加えて味をしみこませるもの。キュウリが柔らかくなり、味がしみこむ頃には、キュウリからたくさんの汁が出てきます。できれば、その汁も別の料理の隠し味に使いたいです。
 こうして、ややきつめの味付けをしますと、生や薄味に比べてキュウリの違いが分りにくいかと思ってました。しかし、朝風のほかにあわせて3種類のキュウリを、一緒に炒めて出てきたのですが、一つ一つ違います。歯ごたえやキュウリの味に、それぞれ個性があります。なかでも、淡白な味にしっかりした歯ごたえの朝風は、私の口に合い、ついつい箸がすすんで一番になくなりました。

 そういえば、昨夏は同じ料理でも、もっと暑い時期に食べたら、朝風よりも四葉(スーヨー)キュウリのほうが美味しく感じられました。多分、今年もこの先暑くなると、同じように四葉が美味しく感じるかもしれません。味覚にも旬がありますね。



追伸
 今週末、所用で出かけますので、金曜・土曜は更新できません。多分、日曜日にまとめて更新すると思います。早々にサボり始めたなと誤解のなきよう。