百楽門 特別純米 冴 300ml 530円也

 私にとって日本酒というのは、少し特別な飲み物です。体調が悪いときや気分が優れないときは飲みません。美味しくないですから。美味しくないのに飲んだら、なんだか申し訳ない気分になってしまいます。しかし、そんなこととは別に、暑くなってきたこのごろは日本酒を飲むと体が火照って寝苦しくなるので、飲む機会が減ってます。
 でも、今日は朝からの曇り空で湿気はあっても涼しいですし、夕食のおかずもお酒を飲みたくなるものでしたから、少し久しぶりに日本酒をじっくり飲みました。おかずは丹波で買ってきた黒豆味噌で作った、丸ナスの味噌汁。それとマグロのお造り。冴はややコクがあるので味噌汁とそのほかのお漬物に。マグロのお造りには純米吟醸の桃の滴をあわせました。両方とも冷酒です。
 いやー、やっぱり好きなお酒を頂くのは良いですね。
 この冴ですが、百楽門を造ってる葛城酒造さんのお酒のうち、とにかく辛口に仕上げたお酒にこの名がついてます。今日飲んだのは特別純米の冴です。無濾過のため辛口のわりにはコクがあるのでお造り以外には文句なくあいます。お造りにもあわないわけではないですが、桃の滴のほうがあいますね。冴をお猪口に入れて、飲み込んだあとにグゥッとくるのは、辛口のお酒だからですね。

 ところで、日本酒の辛口ですが別にはっきりとした辛味があるわけではありません。日本酒の辛口は糖分の少ないものを言うことが普通です。発酵を進めると糖分がアルコールになりますが、その糖分がわずかしか残っておらず、多くがアルコールになってるのが辛口のお酒です。
 この辛口・甘口は、日本酒度で表します。糖分がアルコールになると比重が小さくなります。それを数値で示したものです。発酵が進んでプラスに進むほど糖分の少ない辛口のお酒という意味です。すっきり口当たりの良い、やや辛口のお酒は、大体+3とか+5のことが多いです。特別純米の冴は日本酒度+13。かなりの辛口です。
 こうやって長々書いてますが、実際に飲んでみると、この日本酒度はあまりあてにならないことがわかります。甘口・辛口の感じ方が、人それぞれなのもありますが、そのほかにも、酸味やアルコール度数や香りの具合、それに温度によって、甘口・辛口の印象ががらりと変わるからです。そういう意外性やつかみ所のなさがまた面白いものです。

 こうしてお酒を楽しんだ後は、やはりひと汗かきました。これはこれで夏らしくて良いものなんですがね。