亀岡市 高木さんのにが瓜 220円也

 京都の夏は本当に暑いです。最近は関東郊外でのヒートアイランドが進んでそうでもありませんが、10年位前にはその日の全国の最高気温を京都で記録というのがちょくちょくありました。なにしろ100万人都市ですから熱気はしっかり出てるのに、内陸なので浜風がありません。そのうえ、風上になる南は大阪です。ただでさえ暑い南風が、大阪でますます暖まって京都に流れ込み、盆地の中を渦巻くのです。たまりません。
 こんな暑い京都ですから、夏ばてもします。こうなると夏野菜でも、より個性的な味のものが恋しくなります。そんな野菜の一つがにが瓜です。
 にが瓜はもともと沖縄が主産地で、長年の宣伝活動が実って全国で食べられるようになりましたが、逆に奄美地方を筆頭に、他府県産が増えたため、沖縄産の比率が落ちてるという妙なことになってます。こういう話は結構あるんですが、まあおいおいと。

 さて、にが瓜の苦味。肥料をやりすぎた野菜によくあるエグ味のある苦味とは違います。どこかすっきりしたさわやかさのある苦味です。この苦味は瓜か特有のものらしく、キュウリの不利品種にも感じられます。この苦味、なんでも利尿作用があるそうで、夏場にはありがたいものです。
 暑いと汗ばかりかいて、おしっこが出ません。出てもかなり濃くなっており、そうなると腎臓に負担がかかります。それをたくさん出して、腎臓の負担を軽くしてくれるのですから、植物の生理と先人の智恵とには、驚かされます。

 いつもはこのにが瓜を、胡麻油で炒めて醤油で味付けでたべてます。ご飯のおかずにも良いと思ってます。今回はちょっと趣向を変えて、塩コショウで味付けして、卵と一緒に炒めたものです。苦味を強く感じないので、食べなれない人向けの料理として紹介されているものです。別に苦味が消えるわけではないのですが、卵の甘味がそれをやわらげてくれています。いつもの醤油炒めよりもさっぱりした印象です。ご飯にも良いですが、お酒やビールのおつまみに向いてるかもしれません。
 料理した母の感想ですが、醤油炒めと違い水分がにが売りから出てこないので、にが瓜が縮まないんだとか。少しのにが瓜をたくさんに見せることができるので、人数の多いときに良いようです。