園部 奥村さんの賀茂茄子 300円也

 野菜にもいろいろありますが、普段、生で食べる野菜と火を通して食べる野菜は区別しておられる方が多いと思います。生野菜用は生野菜用、火を通すものは必ず火を通すという具合にです。でも、サラダ用の野菜を煮てみたり、煮て食べるものを生で食べたり、普段と違う食べ方をすると、思いがけない発見もあるもの。
 少し変わった食べ方をしたしたのは、賀茂茄子です。賀茂茄子を夕食のおかずに天ぷらにしてもらってるついでに、生の賀茂茄子をつまみ食いです。初めての方はたいてい驚かれるのですが、新鮮で出来の良いお茄子は、うっすらとりんごの香りがします。糠どこの状態と尾茄子の両方がよければ、茄子の額づけでも、その香りはあります。特に、賀茂茄子や水茄子、山科茄子のような水気の多いお茄子だと、本当に果物のようです。最もたくさん売られている千両茄子は水分が少ないので、よほど新鮮なものでなければ、舌触りがよくありませんありませんのでご注意ください。もちろん、本物のりんごに比べれば、糖分がほとんどないので、味のほうにあんまり期待されても困ります。
 なお、お茄子を生で食べるときには、小さく切って少しだけにしておいたほうがいいと思います。足りないくらいが丁度良いと思いますよ。そのまま食べるのも良いですし、少し塩をかけたり、わさび醤油でお刺身のように食べるのもいいですね。ただ、味自体は淡いですから、サラダにして他の野菜にあわせたり、ドレッシングなどの調味料をつけるのはあまりあわないと思います。
 そもそものメインのおかずであった、賀茂茄子の天ぷらは、普通の千両茄子の天ぷらに比べて、身がしっかりしてますから、火が通って柔らかく揚がっていても、柔らかくなりすぎません。わたしは、こっちの歯ごたえのほうが好きですが、これも今年の分はそろそろ食べ収め。野菜も秋を迎えて、品がかわってきています。