園部町 京都農塾 倉内さんのさつまいものつる 150円也

 農家からお野菜を直接分けていただいてることもあって、ちょっと変わったものも店先に並びます。これもそういうものでしょうね。さつまいもの茎と葉をつなぐ軸の部分。太平洋戦争直後の食糧難に食べたという話は出てきますが、当時と違って味の良い品種ですし調味料も自由に使えますから、とても美味しく料理できます。聞くところでは、このつるをとる専用の品種まであるそうです。
 歯応えは蕗に似てますが、もう少し柔らかく、風味は穏やかといったところです。
 料理のときには、長さ一寸くらいのざく切りにして、さっとゆでてあく抜き。その後で、炒めてみたり、薄めの味付けでだしと醤油でたいてみたり、佃煮にしたり。他にも色々と使えると思います。また、火を通してもあまり縮まないので、結構食べ応えもあります。
 実は母がこれを使うに当たり、ずい分と硬そうに見える芋のつるを使いました。蕗なら皮をむいたほうが良い状態です。これもむいたものかどうか、思案していました。お客さんの中で、いものつるを使った料理をしているという方は、皮をむく必要がないと仰います。
 そこで、それなら試してみようと、母は、皮をむいたものとそのままむかないものとを同じように料理してくれました。皮が堅ければ、食後の歯磨きにひと手間です。
 結果は、少し歯応えが違う程度で、全く皮をむく必要がありませんでした。ただ、皮をむかないほうでは、料理の最中に皮がはがれて、もやもやとしたものがまとわりついているような見かけです。たいして皮をむいたほうは、なめらかな肌を見せています。
 きっと高級料亭などでは、一皮むいて出してるんでしょうね。目立たぬところにまで手間をかけるのが、高級料亭のもてなしですからね。繰り返しますが、食べるのにはほとんど影響はありません。見かけです。興味のある方は、一つ試してみてください。納得してもらえると思いますよ。