京都有機の会 大江町 古高さんのごぼう 一束 220円也

 野菜が豊富だった冬もほぼ終わり、春の菜ものが並ぶようになりました。冬の野菜の代表である根菜類も、もうすぐ終わりです。食べ収めです。
 そこで、冬の名残を惜しむように、母が豚汁らしきものを作ってくれました。あいにくと、豚汁には是非入れておきたい野菜が、次々とうちの店先からなくなってるので、あるもので作ってくれたわけです。
 大根がありません。ニンジンがありません。芋もありません。玉葱もありません。入っていた野菜は、九条ねぎごぼうです。そこに、平茸シメジやら高野豆腐、豚肉が入っています。
 ごぼうは、最近でこそサラダごぼうなど、柔らかくてくせのない種類も売られるようになりましたが、ちょっと悪いのだと、変なあくが強く、筋張っていて、硬くて美味しくないもの。いくら火を通しても、柔らかくなりません。そういうものが当たり前にあります。
 けれども、良いごぼうというのは、火を通せばすぐに柔らかくなります。ほどよい歯ごたえを楽しむには、火の通しすぎに気をつけねばならないほど。ごぼう特有のにおいも、実に心地いいものです。こういうごぼうに出会えるのは、運がいいのかもしれません。
 古高さんのごぼうは、まさしくこういうごぼうです。古高さんがごぼうを作っておられるのは、京都の日本海側、由良川河口部で何メートルもの深さまで、砂の層が続く農地だそうです。まさにごぼうの適地です。この農地で、無農薬無化学肥料で栽培されたごぼうです。美味しいはずです。
 しかし、いくら美味しいごぼうでも、旬はもう終わります。美味しいうちに食べましょう。冬の名残を楽しんでおかないと、見る間に初夏です。