祇園祭宵山

 信州あたりだと、きのこ狩りに行ったのかと思われそうですが、出かけた先は祇園祭宵山です。写真は撮ってません。
 昼間、珍しく山鉾町の界隈に配達がありました。雨に降られながらも品物を届け、ちょっと寄り道しながらの帰り道。布袋山という聞きなれない山のご神体をみせておられるところに出くわしました。巡行に出ている山ではなく、焼山といって、火災で失われた山の一つです。
 長い中断を経て復活した山鉾もありますが、こうして途絶えたままの鉾もあります。たまたま朝刊では、同じ焼山の大船鉾の飾り席の記事が出ていました。大船鉾は、24日の後の祭りのそのまた最後を飾った鉾で、絢爛豪華と話だけは聞いてたものの、どこの町内かも知りませんでした。今年、懸装品が久しぶりに展示され、お囃子もあるそうです。これは是非とも行かねばと、店が終わってからもう一度繰り出しました。
 宵山を気の向くままにあるくのは久しぶりです。駒形提灯の灯りの美しさに目を奪われながら、大船鉾目指してウロウロしました。場所は分かってますが、人ごみですし、通りすがりの山鉾に目移りするし、お神楽に出くわして立ち止まって聞いてみたり、屋敷の中の屏風を眺めたりで、思うようにたどり着けません。ウロウロしたお陰で、横を通ったり、ご進退を見た山鉾は20ほど。思いがけず色々見られましたけれど。
 そんなことをしながらも、なんとかたどり着きました。お囃子も上手い具合に聞けましたが、ちょっと聞き覚えがない節でした。どこの町内の指導をあおがはったんでしょう?
 近くに見つからないので、見渡すと少しはなれたところに飾り席もありました。並んでいたのは、胴掛けや船鉾の舳先の御幣など、5,6点。その手前に復元模型がありました。先に船鉾と見ていたので違いが分かります。一番の特徴は、船鉾の舳先は鯱なのに対し、大船鉾は金色の御幣が飾ってあること。御幣といっても鉾の飾りとしてはっきり目立つ大きさですから、当然大きいです。ガラス越しの御幣は天井まであります。2メートルを超えてるでしょう。こんな立派なものがあったんかと、ただただ感心ばかりしてました。
 先頃、30億円かけて宇宙旅行に行く予定の人が、脱税していたと新聞報道で見かけました。バブルの頃に寄付を募って復活した山鉾もあります。金の使い方は色々ですし、趣味の問題ですが、こんな見事なものを惜しげもなく見せてくれるお金の使い方に感謝します。

 そんなことを考えながら、最後はとある出店に行きました。木屋町の日本酒バーが、宵山で出店を出しておられたのです。お取引はほとんどありませんが、そこのご主人とはお店を始められる前から、時々お会いしてました。うちの店にも来られたこともあります。せっかくなので、どんなふうなお店になっているのか気になるし、まだ知らないお酒にもあいたいし。
 大盛況の一日が終わりかかっていた頃でしたので、売り切れのお酒もいくつもありましたが、何杯か呑むことができ、こちらも堪能して来ました。

 これから京都は夏本番、のはずなんですが、どうなっているんでしょう? 大雨が続きます。93年のような冷害にならなければいいんですが。