日本酒バーあさくら 一周年

 予定外の日本酒を飲んでしまった昼間のお酒もやや抜けた頃、日も暮れたので知己の日本酒バーの一周年に向かいました。お取引はほとんどありませんが、開店前から試飲会でよくお会いしてたのです。お祝いの一言ぐらいは、言ってしかるべき間柄のはず。それに、一部商品が半額です。この機会に飲んでないお酒を飲むべしです。
 お店の場所は、木屋町三条上る東入る。縁のない一帯なので迷います。初めてではないんですが。
 お客は私が入ったあたりで、ほぼ満席になりました。半額の日ですから、特別に立ち飲み用の一角も設けてあります。味を思い出せないお酒を順に頼んでいきます。お隣の方はずいぶん詳しいなと思ったら、同業者の方でした。同業者の方でお酒の興味をお持ちの人は、たいてい私より詳しいですから、いろいろとお話をお聞きしました。
 そのさなか、後ろで話している相席しておられる二組の会話が耳に入ります。なんと、ネット上でのみお知り合いの、島根県在住の蔵人のかたでした。まさかお会いできるとは思わず大喜びです。ほどなくカウンターで隣同士になって、短いながらも濃密な会話をしたような気がします。内容は取り留めのないものだったはずなんですが、聞き上手なかただったのか、実に楽しいひと時でした。なかばお酒そっちのけでした。
 話が楽しくても、お酒のことはそれなりに印象に残ってるもので、こういうことは滅多にないことです。
 別れ際、まだしばらく京都付近におられるとのことで、うちの店にもお越しになる約束をして帰られました。

 いくつも飲んだはずのお酒のなかで、印象に残ったのは、常温で飲んだ七本槍の熟成純米生原酒。思いがけない味の発見がありました。でも、それくらいでした。美味しいお酒を飲んだはずなんですが。