越の初梅 雪中熟成 純米吟醸 四合ビン 1570円也

 送り火の日、飲み物には事欠きませんので、各人いろいろと飲んでおりました。私は冷蔵庫にあった飲みかけのお酒を次々空にしていたのですが、中でもたくさん飲んだのが、この越の初梅の雪中熟成純米吟醸です。
 この雪中熟成のお酒ですが、現在、東北、北陸、北海道、信州といった日本中の雪国で作られています。雪の中でお酒を貯蔵しておくと、短期間で非常に良い状態で熟成されるというのです。どうしてなのか、よく分っていない部分もあるようですが、大体の説明はなされています。
 野菜や米も雪中貯蔵で同様の効果があるそうなんですが、その効能の理由として挙げられるのは、低温であること、温度が常に一定であること、温度にムラがないこと、振動がないこと、湿度が高いこと、などなどです。お酒の熟成についても同じ説明がされています。といっても他の理由はともかく、湿度が高いとお酒の熟成にどう良いのか、そこだけはよく分りません。お酒が蒸発するのを防げるのでしょうか。ご存知の方がおられましたら、お教えください。
 今回飲んだ越の初梅は、この雪中熟成のお酒を最初に商品化したところです。蔵の庭にタンクを据え、雪で埋めてしまうのだそうです。行政などが作った施設を利用する蔵もあるそうですが、ここでは自前の雪での貯蔵です。
 越の初梅には、雪中熟成酒が純米吟醸純米大吟醸の3種類のと計3種類あるそうですが、もっぱら純米吟醸のほうでお世話になってます。ここのお酒は、淡麗だと思われている新潟の酒のイメージと異なり、結構しっかりした味わいです。それが、わずか半年ほどの雪中熟成で、実にやさしい口当たりに変わっています。味わいそのものはしっかりしたものですから、食前に軽く一杯というだけでなく、いろんな料理とあわせながら楽しむことが出来ます。すいすいと飲んで、美味しいから周りも飲んで、あっという間にカラ。美味しいお酒ならではですね。
 ただ、この越の初梅の蔵元は、先の地震で大きく被害を受けた小千谷にあります。蔵の被害は回復しましたし、契約の田んぼはほぼ無事だったそうですが、肝心の地元での消費が減少しているとの話も聞きます。一日も早い復旧をお祈りしています。